珈琲のあれやこれ ~種類編~

食べもの

カフェタイムを楽しむために!と息巻いて書き始めた珈琲のあれやこれ。今回は珈琲の種類についてまとめていきます。この記事を読むとカフェで注文するときに想像と違うものが運ばれてきたぜっということが38%減少します。ちなみに以前の記事は珈琲の歴史についてまとめています。是非チェックを!

珈琲の種類

珈琲の種類はまず淹れ方でドリップとエスプレッソの2つに大別されます。そこから個別の種類に分かれていくイメージです。木で例えると幹がこの2つで枝葉が個別の種類。生物で例えると界門綱目科属種のイメージ。では、さっそくこの幹の部分について紹介していきます。

・ドリップ

英語のドリップ(Drip)には、「滴る(したたる)」という意味があります。滴り落ちるように抽出されるコーヒーだから、ドリップというのですね。ドリップコーヒーは、主にハンドドリップやフィルターを使うコーヒーマシンなど、『コーヒーにお湯を注ぎ、お湯の重みだけで成分を抜き出す方法』で抽出したコーヒーのことを指します。

・エスプレッソ

エスプレッソマシンにより圧力を利用して濃度の高いコーヒーを抽出します。エスプレッソは普通のコーヒーカップの半分ほどの大きさのカップで提供され、1杯あたりだいたい25~30mlと一般的なコーヒーに比べて量が少なめ。また、コーヒーの表面に浮いているクレマと呼ばれる泡も普通のコーヒーには無いものです。味わいはギュッと凝縮されたような濃厚さが特徴。

カフェでおなじみの「エスプレッソ」も、マシン内部ではコーヒーにお湯を注いで淹れています。
エスプレッソの特徴として、圧力をかけながら短時間で抽出するため、出来上がりはコーヒーの油分をしっかりと混ぜ込んだ濃厚な液体になります。

つまり、同じコーヒーでもかなり違った味わいになるのです。そのことをわかりやすく伝えるために、エスプレッソベースのメニューがメインのお店の場合、ハンドドリップなどで淹れたコーヒーメニューをあえて『ドリップコーヒー』と分けて書いているよう。

以下ではそれぞれの系統のアレンジメニューについて紹介していきます。

ドリップ系

・アメリカンコーヒー

もともと、アメリカでお茶代わりに軽くソフトなブラックコーヒーとして飲まれていたものが、日本に広まったのは1970年代のこと。この頃から「アメリカンコーヒー」として提供されはじめ、今でも喫茶店で目にする定番メニューになりました。

当時から喫茶店のメニューといえば、お店の看板コーヒーである「ブレンド」、それよりも軽くて飲みやすい「アメリカン」が仲良く並んでいる光景がお馴染みでした。

アメリカンコーヒーの一般的な定義は「焙煎度の浅い豆で淹れたコーヒー」ですが、当時は濃く抽出したコーヒーをお湯で割って提供していたお店も少なくなかったようです。いまでもそういうお店はありますが、もともとの定義が明確でない以上、間違いとはいえないかもしれません。

ちなみに、アメリカで飲まれていたコーヒーすべてが軽いタイプだったわけではなく、ニューオリンズやアトランタなどフランス系移民の多い南部では、深炒りのフレンチスタイルが主流だったそうです。

・ターキッシュ(トルコ式)コーヒー

英語でターキッシュコーヒーと呼ばれるトルコ式コーヒーは、コーヒーに詳しい方ならご存知かもしれません。しかし、実際に飲んだこともある方はそう多くないのでは。

トルコ式コーヒーは、「ジャズベ(CEZVE)」や「イブリック(IBRIK)」と呼ばれる真鍮(もしくは銅製)の小さなひしゃく型の抽出器具を使い、細挽きにしたコーヒーを煮出して作ります。粉を濾さずに上澄みをすすって飲むため、舌のうえにざらっとした印象が残りますが、それも含めて楽しむのがトルコ式コーヒーの特徴です。

「濾さないコーヒー」は、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、コーヒーの粉を濾す抽出方法は1710年頃にフランスで始まったといわれ、それまでのコーヒーは煮出して飲むものでした。

本場トルコはもちろん日本でもエスニック料理店などで提供しているお店もあるので、見つけたときは古(いにしえ)の味を体験してみるのも乙です。

・ダッチコーヒー(水出しコーヒー)

あまり聞き慣れない「ダッチコーヒー」ですが、「水出し」「低温抽出」「コールドブリュー」といった名称でも提供されています。いずれも、「低温でゆっくり時間をかけて抽出したコーヒー」を指しています。

その発祥は17世紀にさかのぼり、オランダ領だったころのインドネシアで、壺の中に水とコーヒーを入れ、地中に埋めて抽出したのが始まりなのだとか。オランダ人(Dutch)が考案した淹れ方ということでダッチコーヒーと呼ばれています。

大きな球形のガラスに水を入れた抽出器具が並ぶ昔ながらの喫茶店では、いまでも「ダッチーコーヒー」の名でメニューに並んでいたりします。

コーヒーが熱にさらされないぶん、温度変化による劣化が起きにくいのが特徴。コーヒーの持つ味わいがそのまま水に抽出されるため、素材そのものの味が際立つ淹れ方です。

・フレーバーコーヒー

これです。私をオシャレさで狼狽えさせた飲み物は。許すまじ。

ここまで紹介してきたコーヒーメニューに比べると、日本ではまだそれほど知名度はないかもしれません。

フレーバーコーヒーとは、レギュラーコーヒーに別のフレーバー(香り)を添加したコーヒーのことです。

フレーバーに使われる材料は、シナモンなどのスパイス類からフルーツ、チョコレート、バニラなど多岐に渡り、甘い香りが使われることが多いようです。コーヒーならではのコクと甘い香りを同時に楽しんで、コーヒーの新たな魅力を体感してみませんか。

エスプレッソ系

・シェカラート

日本ではあまり見かけることのないシェカラートは、シェーカーを使用して淹れるイタリア風のアイスコーヒーです。

シェーカーのなかにエスプレッソ、ガムシロップ、氷を入れて急速冷却するため、シェーカーによって作られた泡が優しい口当たりに。

よりマイルドな風味になるため、むしろ普通のアイスコーヒーよりも飲みやすいと思う方もいるかもしれません。

・エスプレッソトニック

名前の通り、エスプレッソにトニックウォーターを加えて作るのがこの「エスプレッソトニック」です。

トニックウォーターとは、炭酸水にハーブや柑橘類由来のエキスと糖分を加えたもの。コーヒー感を消すことなく爽やかさをプラスしてくれます。

初めて口にすると「意外な味!」と新鮮な体験ができるかも。

カフェメニューの定番、ミルク系コーヒーの種類

カフェの定番メニューでありながら、意外と違いを知らない方も多いミルク系メニュー。その違いを知ると、自分好みの一杯が見つかるかも!?

・カフェオレ

たっぷりミルクを加えたマイルドな味わいで、なじみ深いメニューのひとつですね。

「カフェオレ」とは、フランス語で「café au lait」のことで、cafeはコーヒー、laitがミルク、つまり「ミルク入りコーヒー」を意味します。深めに焙煎したドリップコーヒーと温めたミルクを同量程度合わせれば、カフェ・オ・レの完成です。

ミルクの甘さもあいまって、コーヒーの風味がまろやかに伝わる優しいメニューです。コーヒーが苦手な方も、気軽に楽しめるでしょう。

自宅でカフェオレを作る場合は、コーヒーを濃い目に作るのがポイントです。

半分がミルクが占めるカフェオレでは、ミルク感が勝ってしまうこともあります。焙煎度でいえばシティロースト以上の深炒りのコーヒーを使い、「そのまま飲むには、ちょっと濃いかも……」くらいになるよう、抽出してみてください。

・カフェラテ

カフェオレがドリップコーヒーをベースにしているのに対し、カフェラテはエスプレッソがベースです。高圧の水蒸気で一気に抽出し、ミルクを加えて完成です。カフェオレに比べてコーヒーの苦味をじっくりと感じられます。

「カフェオレ」がフランス出身なら、「カフェラテ」はイタリア出身のコーヒー。こちらも、「ミルク入りコーヒー」を指す「Caffè Latte」です。

イタリアでは専用マシンで圧力をかけて淹れる「エスプレッソ」が一般的で、そこに蒸気で温めたミルク「スチームドミルク」を組み合わせるとカフェラテの完成です。エスプレッソが約30mlに対し、スチームドミルクが約120mlと、ミルクの割合が多いのもカフェオレと違う点です。

・カプチーノ

カフェラテ同様にエスプレッソにミルクを加えて作りますが、こちらは蒸気で温めた泡状のミルク(フォームドミルク)も加えるため、よりまろやかな味わいに仕上がります。

ミルクの泡に包み込まれたエスプレッソの風味は、カフェラテとはひと味異なるもの。エスプレッソとフォームドミルクのコントラストを利用して、表面にデザインを描きながら注ぐスタイルは、バリスタの腕の見せ所でもあります。

・カフェマキアート

淹れ方はほとんどカプチーノと同じですが、エスプレッソに対するミルクの比率が異なります。

厳密には定められていませんが、エスプレッソ(30ml)に少量のフォームドミルクを加えたもので、ミルクの量が少ない分、よりエスプレッソの風味を強く感じられる飲み方です。

ちなみに、マキアートはイタリア語で“シミ”のこと。表面に浮かんだミルクがそのように見えることから名付けられたアレンジメニューです。

・アフォガード

アフォガードは、冷たいアイスクリームに熱々のエスプレッソをかけるイタリア発祥のデザート。エスプレッソの苦味とアイスクリームの濃厚なミルク感が口の中で合わさる感じは絶妙です。

ちなみに、アフォガードはイタリア語で「溺れた」のこと。エスプレッソに溺れたアイスクリームという、情熱的なネーミングもイタリアらしくて良いですね。

・フラットホワイト

オーストラリアやニュージーランドなど南半球から広まったといわれる、エスプレッソベースのコーヒーです。最近は大手のファストフード店でもメニューとして採用されているので、名前を聞いたことがある方も多そうですね。

淹れ方はカフェラテと同様で、エスプレッソにスチームドミルクを加えて作ります。ミルクが少なめなので、カフェラテに比べるとよりエスプレッソの味わいを楽しめます。

最後に

さて、今回はコーヒーの種類をまとめてみました。思った以上にたくさんあるんですね。少しでも皆さんのカフェタイムが楽しくなれば幸いです。

色々知っていると物の見方や考え方が変わってくるかも。

一緒に知識の種を育ててみませんか。

知識を得て豊かな人生を。それではまたっ!

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